建物耐震調査

動的耐震診断システムは 、診断機器を建物に設置して小さな地震を起こし、そのときの建物の揺れを計測して、震度いくつの地震まで安全性が高いかを推測するシステムです。
震度1以下程度の小さな振動からの解析結果で、大地震が起きた場合の建物の揺れを推測します。 例えば、東側が最も耐震性が低いなどが把握できるのです。 よって、東側をメインに改修し、東西方向のバランスをとることで建物の耐震強度を高めることができるというしくみです。

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地震加速度とは

地震の播れの強さを示すのに一般に使用されているものとして、気象庁が発表している「震度階級」があります。 しかし、これは診断結果として表示するには大まかすぎること、また、約400gal以上のすべての地震が震度7と表示されることから、この報告書では、地震の揺れの強さ(加速度)を示すものとして「gal(cm/s2)」を用いています。
以下に、加速度と震度階級との関係を表にしています。これを参考にしながら診断結果報告書をご覧ください。また、地震の規模を表すのに、「マグニチュード」という語が使われます。「マグニチュード」は地震そのもののエネルギーの大きさを表すもので、「加速度」や「震度階級」は調査地での揺れの大きさを示すものです。
ちなみに、兵庫県南部地震(阪神大震災)の規模はマグニチュード7.2、震源から約25km離れた神戸海洋気象台では818galの揺れを記録しました。2011年3月11日の東日本大震災では、マグニチュード9.0という大規模なものでした。

加速度(gal) 震度  
~0.8 0 人は揺れを感じない。
0.8~2.5 1 屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。
2.5~8 2 屋内にいる人の多くが、揺れを感じる。
眠っている人の一部が、目を覚ます。
8~25 3 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。
恐怖感を覚える人もいる。
25~80 4 かなりの恐怖感があり、一部の人は身の安全を守ろうとする。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。
80~250 5弱 多くの人が身の安全を図ろうとする。一部の人は行動に支障を感じる。
5強 非常な恐怖感を感じる。多くの人が行動に支障を生じる。
250~400 6弱 立っていることが困難になる。
6強 立っていることができず、はわないとうごくことができない。
400~ 7 揺れに翻弄され、自分の意志で行動できない。

※加速度と震度階級は、地震の継続時間等諸条件により必ずしも一致しない場合があります。