古民家の木材保護として古くから弁柄が塗られてきました。
とは言いつつも、現在では、めっきり見かけなくなりましたが、
ひょんなことで弁柄の塗り直しの依頼がありました。
僕も、弁柄を手にするのは正直初めてでしたが、顔料の造り方にも、
塗る人によってさまざまで塗るヶ所や色
これといって、決りは無いようで、僕なりの調合でネタを作ってみました。
弁柄は、錆を精製したもののようで、
まったくの自然素材です。
それはそうですよね。ずーと昔から塗られて
きた物なのですから。
混ぜる物によっては、水を弾いたり
虫よけになったり、先人たちは、よくこんな
ものを考えたものです。
築80年というとこかな?
玄関廻りで軒が深かったので、激しく傷んでは
なかったですが、塗り直しすることでまた保護
されます。
今回は、外部ということで、植物油を
混ぜました。
せっかくの自然素材(弁柄)ですので混ぜる
のも自然のもので・・・・
当然のこと。
この民家は、非常にしっかりした造り(構造)で中をぐるっと見させていただきましたが、僕が目指す
木組みがふんだんに盛り込まれていました。家の方は、あと20年(築100年)もたせたい。
と言っていましたが、500年でもへっちゃらです。 これは、しっかりメンテナンスしてあげれば、
大げさな話ではありません。
玄関を入ると、大きな土間があり、おなじみの貫構法が、浮き出た壁。
漆喰に、弁柄を混ぜたそうでした。
築80年とは思わせない粋な演出で客人をおもてなし。
住人のセンスにあっぱれでした。
見習わなければ・・・・・
これをきっかけに、今手がけているリフォームにも弁柄を施しました。
次回、アップ致します。