一代目の仕事

90年前の棟札が戻ってきました。

初代 岩治の仕事です。

 

 

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昔は副棟梁や木挽き(現在でいう製材)の名前まで書き残されていました。

 

 

伝統構法の棟札

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、残念ながら、この建物は立ち退きの為、取り壊されてしまいました。

 

90年と言いますが、まだまだ住めたのではないでしょうか?

伝統構法で建てた家は、移築も容易にできますし、一度やってみたいものです。

先代の仕事をリメイク(改築工事)したりできると考えるとわくわくします。

僕は四代目で、今後、尾上組が何代まで続くかは、わかりませんが僕の仕事を跡継ぎが

触ることがあると考えると、なんだか変な気持と、うれしい気持ちと・・・

尾上組の初代・二代目は、どう思うのでしょうかね?

お盆に、実家に行き仏壇に手を合わせ、長押にかかっている顔写真を見ていると

「まだまだ、精進がたらん」 と言われているような気持ちにいつもなります。

 

自分に喝を入れてやってまいります。

今後ともよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

伝統構法の縮小模型

暑い 暑い 暑い 暑い 暑い・・・

そんな言葉しか出てこない。

皆さんどうでしょうか?

そんな中、尾上組では、刻み加工に入りました。

プレカットには真似のできない仕事、伝統構法は、仕事(部材の組み合わせ)が多いので

模型つくりから入りました。

模型を作ることによって、組み上げの手順や階高などの確認が容易にできてイメージもつかめます。

複雑になればなるほどにこの模型の存在が重要になります。

 

 

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今回は、十分の一のスケールです。

 

 

 

 

 

 

 

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伝統の木組み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作るのに結構、時間はかかりましたがこの模型の効果は威力抜群です。

次回からも出来るだけ作っていこうと思います。

 

 

土壁養生空けの工事再開

8月に入り暑さもピークで来週から少し涼しくなる予報です???

現場では、土壁も乾き造作工事になりました。

伝統構法では、躯体(骨組み)のほとんどは化粧(表し)となるため造作(内装)はすくないものの

何かとあります。

 

 

空気断熱

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

硝子瓦の天窓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通気層(空気断熱)

 

 

右の写真は通気層です。

通気層を取ることで壁面内の湿気取りや

雨水の進入を止めるなどの作用があります。

 

 

 

 

 

今まで通気層を取ることはなかったのですが、台風などで猛烈に雨にたたかれると耐えきれず室内に

進入してきます。

伝統構法の真壁造りでは、雨水の進入や雨漏りは構造上早期に発見できますが大壁造りでは

水が回ったとしても表面には出にくいので判断はできにくいですが想定外の雨風はかなり不安です。

その時に最善だと思うことはしてきましたが、まだまだ改良の余地はあり。

僕の理想は両面(内壁と外壁)は真壁納め。

伝統構法の存在感が浮き彫りになる仕上げだと考えています。

通常の雨風には十分耐えるのですが、想定外には対応は難しいのか・・・・

そもそも、両面真壁には、通気層など存在しません。

 

木製建具

玄関の敷居です。

木製建具をはめ込むためのレール溝

を施しました。

建具がはまるのが楽しみです。

 

 

 

 

 

現場見学希望の方は遠慮なくご連絡ください。

可能な限り対応致します。

この現場(高砂市)は、駐車場がないため事前にお申し出ください。

是非この機会に伝統構法の素晴らしさを体験していただきたいです。

 

お申込み   TEL 090-2352-5465  四代目 尾上 結希まで。

よろしくお願いします。

黒弁柄で塗り上げた違い棚

弁柄を塗った違い棚

玄関に取り付けていますがどうでしょう。

床も天井も黒に塗りますので棚も黒。今まであまり木材に塗装は勧めておりませんでしたが実際

塗ってみると、いい感じになるもんですね。

自然のままに・・・  をもっとうにやっていますが、自然素材(弁柄)で塗っているので問題ないです。

 

 

 

デザイン壁

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楔はアクセントとして、無塗装(タモ)で差し込みました。

この棚は、僕の思いのままにやらせていただきました。 上手くいったと思っています・・・?

せっかく家を直していますのでデザインにも注意しておかなければいけませんよね。

 

 

大壁

 

 

照明はレール付きのスポットライト

これも黒です。

かっこいい選択だったです。

 

 

 

 

自然素材塗り壁

壁はシラス壁(100%自然素材)

照明の当たる面はパターンを付けました。

もう少し深いパターンでもよかったかな。

 

 

 

 

弁柄

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外の桧の腰板にも弁柄。

雨・風が当たるので植物油を混ぜました。防水効果抜群です。

 

伝統の弁柄を塗り直しました。

古民家の木材保護として古くから弁柄が塗られてきました。

とは言いつつも、現在では、めっきり見かけなくなりましたが、

ひょんなことで弁柄の塗り直しの依頼がありました。

僕も、弁柄を手にするのは正直初めてでしたが、顔料の造り方にも、

塗る人によってさまざまで塗るヶ所や色

これといって、決りは無いようで、僕なりの調合でネタを作ってみました。

 

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弁柄は、錆を精製したもののようで、

まったくの自然素材です。

それはそうですよね。ずーと昔から塗られて

きた物なのですから。

混ぜる物によっては、水を弾いたり

虫よけになったり、先人たちは、よくこんな

ものを考えたものです。

 

 

 

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築80年というとこかな?

玄関廻りで軒が深かったので、激しく傷んでは

なかったですが、塗り直しすることでまた保護

されます。

今回は、外部ということで、植物油を

混ぜました。

せっかくの自然素材(弁柄)ですので混ぜる

のも自然のもので・・・・

当然のこと。

 

 

 

 

この民家は、非常にしっかりした造り(構造)で中をぐるっと見させていただきましたが、僕が目指す

木組みがふんだんに盛り込まれていました。家の方は、あと20年(築100年)もたせたい。

と言っていましたが、500年でもへっちゃらです。  これは、しっかりメンテナンスしてあげれば、

大げさな話ではありません。

 

玄関を入ると、大きな土間があり、おなじみの貫構法が、浮き出た壁。

 

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漆喰に、弁柄を混ぜたそうでした。

築80年とは思わせないな演出で客人をおもてなし。

住人のセンスにあっぱれでした。

見習わなければ・・・・・

 

これをきっかけに、今手がけているリフォームにも弁柄を施しました。

次回、アップ致します。

土壁

籾入り土壁梅雨に入りうっとおしい日々が続いていますが・・・

現場では、土壁がつきました。

この荒壁土は、古材を利用しました。

築80年の屋根瓦の葺き替え工事で瓦の下に敷いていた土です。

現在では、屋根に土を上げる事は少なく桟掛けといって、かわらにチョボが付いていてそのチョボを桟に引っ掛ける構法が支流です。

しかし、この屋根土も捨ててしまえばゴミですが、再度練り直し十分に活用できます。

むしろ、古材の方が、粘りが強く、しっかりしています。

翌日に触ってみてもカチカチでこれなら火災にも大いに活躍するでしょう。

毎度のことですが、籾を入れました。
土壁

土壁

 

籾を入れることで土壁の中に空隙が出来、断熱効果向上を期待しています。

他にも何か良いものがないか模索中ですが・・・

 

 

 

発酵土壁

土は、寝かせていましたので発酵が進み塗り立ては匂いが何とも言えませんでした。

しかし梅雨時期にもかかわらずなんだかすがすがしい空気がただよっています。

このまま、しばらく乾くのを待ちます。

伝統構法石場建て風の家

石場立6月になり梅雨入りですが、今年も暑くなりそうです。

年々暑くなってきていますが日本の場合、その湿気が不快感を呼び込みますね。

ラスベガスでは、40度を軽く超えていますが湿気がないので汗をかかなかったのを良く覚えています。

湿気の多い日本ではやはり木と土の家、土壁が活躍すると思いませんか?

今、進行中の石場建て風の家も土壁準備で竹木舞を麻縄で編んでいます。

ラ週後半には、土をつける段取りになっています。

今度、土壁の効果の実験してみます。  こうご期待

 

伝統構法の棟上げ

5月初旬から、伝統構法石場立風の家建てています。

石場建て

石場建て

伝統構法

釘・金物は使用せず伝統的に木と木を組み合わせ、建て前にはかけや(大きな木槌)で部材を打ち組みこんでいく。

そこに機械的な音はなくコーンコーンと木と木がめり込んでいきます。

この音には魔よけの意味もあるらしく「良いこととだよ」とあるお寺の住職さんに聞いたことがあります。

いまでは、珍しくなったものの、ほんのちょっと前までは、ごく当たり前の風景でした。

年配の方が前を通られますと珍しそうに立ち止まりしばし見とれておられるのを何度か目にし、がぜん力が入ります。

大工仕事の中で建て前は、体力的にも精神的にも一番疲れます。

僕は棟梁として10年近くなりますがそれはいつも変わることはありません。難しい仕事をすればするほどに疲労度

は増していきます。

でも、棟が納まりすべての材料が一つになったときその疲れが自然と消えるそんな感じでしょうか?

毎回、新しいこと(その時、最善と考えたもの)を取り入れ、いかに後世に残すか。

100年後、200年後の大工さんたちが、この家を触る際に恥ずかしくない仕事をしておかなければいけません。

今、「伝統構法を世界遺産へ」の活動が始まりました。日本の技術が見直されようとしています。

薄利多売の時代は終わり、価値あるものを望む。そんな風潮になってきているように感じます。

伝統構法

木組み

伝統構法石場建て

日本の建築に興味のある方の見学を歓迎いたします。

問合せ   TEL  090-2352-5465  四代目 尾上 結希  まで。

淡路夢舞台

だんだんと蒸し暑くなってきました・・・

以前から行きたかった淡路に行ってきました。

僕の見たかったのは、安藤忠雄氏設計の淡路夢舞台の中にある植物園に淡路出身で世界的に活躍されている

左官さんの作品です。

伝統構法 左官

これは、造園家とのコラボだそうですが、土壁の中に植物が存在するモニュメント、独創的な発想に驚きました。

塗り厚もさることながら、壁でありつつも大地をも表現しているように感じました。

伝統技法

ただ平坦に塗るだけでなく土壁で表現し、影などの表情も楽しめます。

民家にもこのような表現が出来ないでしょうか?

左官の技術や知識が溢れていなければ無理でしょうか?

木と土で仕上げる伝統構法建築は大工と左官の融合でありますので大工と同様に左官も技術を高めなければ

日本の建築は衰退してしまうでしょう。

しかし、技術のある左官でも土を触れる需要は少なく技術を持続するのも困難な状況にあります。

土壁断熱からグラスウール(断熱材)などの安価な工業製品に押されているためです。

気候風土に適し健康面・耐久性・耐火性なども土壁が優れています。

ここで、伝統を継承する我々がこの技法を推し進めていかなければという責務にかられました。

ここからは安藤忠雄氏設計の夢舞台です。

安藤忠雄

空間

自然

コンクリート造は否定的だったのですがこの作品を見て、圧倒的な存在感に見とれてしまいました。

さすが、安藤氏。

半端ない存在感ではありますが周りを見れば自然と調和しているんです。

もう一度行って今度は一日散策してみたいです。