今、材木(桁・胴差)の米松を自然乾燥しています。
本来なら一年かけて陰干ししたいところですが工期の加減もあって、一日中扇風機をかけて
乾燥中です。
現在は、ほとんどが機械的に人口乾燥しています。
木造の材料(木材)は、乾燥さした後、加工していきますが人工乾燥と自然乾燥では材の状態
は、違ってきます。
人工乾燥は、もちろん乾燥期間は短縮できるんですが材質が落ちるような印象があります。
急激に加熱するので木材の持つ油(ねばり)が抜けのこぎりやのみをあてるとパサパサした感じです。
それに比べ自然乾燥は時間がかかり、割れが発生しネジレなど変形が大きいですが、なんだか
しっかりした感じです。割れが入ったとしても木材の耐力は変わりません(自然に割れる分には)
ところが、人工乾燥すると割れが内部に発生します。
これは、木組みで建てる伝統構法には不利に働きます。というのは伝統構法の木組みには
込栓・仕口などが多用されるので、内部割れによってひきつけ合う効果が薄れる可能性があり
材の使い方も慎重になります。
100年先の未来に建物が健在すると希望するなら、この期間は惜しまないでください。
伝統構法の建物の特徴に構造を表し(見える)にするとありますので、材木のほとんどが
仕上げ材料ですのでごまかしは、利きません。
プレカット加工などの在来工法の材料は大壁(見えない)が多く骨組みの材料の程度が気になります。
尾上組は、100年先、200年先を見据えた建築を手がけていますので工期がかかりますが、
手間暇をかけて、より丈夫で快適な家をと、日々精進しております。
よろしくご理解ください。